原発事故費用22兆円 想定の倍/「コスト安い」破たん明白
2016年12月5日(月)
原発事故費用22兆円 想定の倍
「コスト安い」破たん明白
経済産業省は東京電力福島第1原発事故の損害賠償や除染、廃炉などの費用が従来想定の11兆円から倍増、22兆円程度と推計しています。電源別の発電コスト分析に詳しい大島堅一・立命館大学教授は、事故費用が22兆円なら、過去1970~2010年度までの原子力発電全体の発電コストが1キロワット時当たり13・2円と試算。「原発は安い」としてきた国と“原子力ムラ”の論理破たんがますます明白となりました。
経産省が2015年5月に示した試算(2030年モデルプラント試算)は、太陽光(住宅)が12・5~16・4円、太陽光(メガ)12・7~15・6円、風力(陸上)13・6~21・5円でした。再生可能エネルギー分野はこれから伸びる技術で、コストも下がっていく方向。一方、原子力は使用済み核燃料の再処理・処分や廃炉費用はどこまで膨らむかさえわかっていません。