鳩山政権になって一部で前向きの変化も起きているが、「肝心要の問題は変わっていない」。

 国民の「政治を変えたい」という圧力のもとで、鳩山政権になって一部で前向きの変化も起きているが、「肝心要の問題は変わっていない」。

 その現れとして、後期高齢者医療制度の廃止先送りや、労働者派遣法の改正問題では、製造業派遣の禁止について大きな“抜け穴”ができたうえに実施は3年、5年後に先送りの方向になっている、沖縄の米軍普天間基地問題でも政権が迷走している。

 「変わっていない根っこには、(現政権が)『二つの異常』―外交ではアメリカ追随、内政では財界中心という、ここから抜け出せていない」。

 予算案については、「二つの問題点」がある。

 一つは、毎年2200億円削られてきた社会保障の「傷跡」をすぐに治す必要があるのに、現政権は先送りと中途半端な対応に終始している。後期高齢者医療制度では4月に14%もの保険料の値上げとなる、障害者自立支援法の問題では300億円で「応益負担」の大部分が撤廃できるのに、政府が3分の1しか予算をつけていない。

 もう一つは、財源問題です。予算案では、軍事費が4兆8000億円に増額され、米軍への「思いやり予算」と「米軍再編」経費も3270億円と史上最大、大企業・大資産家に対する優遇税制も温存されていると述べ、「これでは結局庶民増税にツケが回る」。

 「景気対策の一番のポイント」は、大企業がため込んだ「最大の埋蔵金」である「約200兆円の内部留保を社会に還元する政策を採るべきだ」。「ルールある経済社会」の構築が一番の経済対策だ。

 さらに言えば、鳩山由紀夫首相と小沢一郎民主党幹事長をめぐる「政治とカネ」の問題では、民主党トップの2人が問題になっているわけだから、民主党には党として自浄作用を発揮し、国民に真相を明らかにする責任がある。