ゆきすぎた大企業減税見直せ
政府税制大綱
ゆきすぎた大企業減税見直せ
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鳩山内閣が2010年度の「税制改正大綱」を決めました。
それによると、中小企業の法人税率の引き下げは見送る一方で、大企業の利用がほとんどを占める研究開発減税の上乗せ措置は延長するとしています。大株主に大きな恩恵を与える株式譲渡益や配当の軽減税率も継続します。
子ども手当の財源として手当の対象になる世帯の所得税・住民税の扶養控除を廃止・縮小します。ガソリン税の暫定税率は廃止するものの現行税率は維持し、環境税の導入を検討するとしています。たばこ税増税も盛り込みました。
逆立ち税制の是正を
子育て支援で子ども手当のような経済的給付を充実することは重要です。経済的給付が十分な効果を発揮するためにも、認可保育園の大幅増設や長時間労働の是正など、子育てしにくい社会を変える総合的なとりくみが必要です。
子ども手当の財源と同様に、高校授業料の無償化の財源として、特定扶養控除のうち高校生の子どもがいる世帯の控除額を縮小するとしています。国際的にも低すぎる課税最低限をさらに引き下げることになり、保育料や国保料など雪だるま式の負担増に結びつく懸念があります。
大企業向けの法人税率は、ここ10年ほどの間に7・5%も引き下げられてきました。さらに近年の研究開発減税、欠損金の繰越期間の延長、海外子会社からの配当益金不算入などの優遇税制によって、大企業の税負担は税率より相当軽くなっています。
この間に大企業は総額賃金も減らして、大幅に内部留保を増やしてきました。労働総研の試算によると、日本企業は1998年度以降の10年間に内部留保を倍増させ、400兆円を超える規模に膨張させています。
大資産家向けの減税も繰り返されてきました。1999年に所得税・住民税の最高税率が15%引き下げられ、その後も証券優遇税制の導入や相続税の最高税率引き下げなど、大金持ち優遇が際立っています。
他方で庶民には、定率減税の廃止や配偶者特別控除の廃止、高齢者増税など、暮らしを痛めつける過酷な増税が押し付けられてきました。
政権交代後に鳩山内閣は、これまでの税制調査会を廃止して、財務相を会長とする新たな税制調査会をつくり、「税制を根本から見直す」としてきました。しかし、大企業・大資産家減税の枠組みを見直す本格的な議論はありませんでした。
子ども手当の財源をめぐって税制調査会では、子ども手当の対象外の庶民の家計を犠牲にしてひねり出す提案が出され、国民の批判を浴びました。結局、手当の対象外の家計への負担増は回避されましたが、こんな混乱が起きるのも、政権に大企業・大資産家減税にメスを入れる姿勢がないことに大きな原因があります。
応能負担原則に立って
税制の所得再分配機能を取り戻し、暮らしの財源を生み出すためにも「庶民に増税、大企業・大資産家に減税」の逆立ち税制を根本から転換する必要があります。
明らかにゆきすぎた大企業・大資産家減税を改め、「能力のある人が負担する」という応能負担の原則に立った民主的な税制の再構築を図ることが求められます。
ゆきすぎた大企業減税見直せ
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鳩山内閣が2010年度の「税制改正大綱」を決めました。
それによると、中小企業の法人税率の引き下げは見送る一方で、大企業の利用がほとんどを占める研究開発減税の上乗せ措置は延長するとしています。大株主に大きな恩恵を与える株式譲渡益や配当の軽減税率も継続します。
子ども手当の財源として手当の対象になる世帯の所得税・住民税の扶養控除を廃止・縮小します。ガソリン税の暫定税率は廃止するものの現行税率は維持し、環境税の導入を検討するとしています。たばこ税増税も盛り込みました。
逆立ち税制の是正を
子育て支援で子ども手当のような経済的給付を充実することは重要です。経済的給付が十分な効果を発揮するためにも、認可保育園の大幅増設や長時間労働の是正など、子育てしにくい社会を変える総合的なとりくみが必要です。
子ども手当の財源と同様に、高校授業料の無償化の財源として、特定扶養控除のうち高校生の子どもがいる世帯の控除額を縮小するとしています。国際的にも低すぎる課税最低限をさらに引き下げることになり、保育料や国保料など雪だるま式の負担増に結びつく懸念があります。
大企業向けの法人税率は、ここ10年ほどの間に7・5%も引き下げられてきました。さらに近年の研究開発減税、欠損金の繰越期間の延長、海外子会社からの配当益金不算入などの優遇税制によって、大企業の税負担は税率より相当軽くなっています。
この間に大企業は総額賃金も減らして、大幅に内部留保を増やしてきました。労働総研の試算によると、日本企業は1998年度以降の10年間に内部留保を倍増させ、400兆円を超える規模に膨張させています。
大資産家向けの減税も繰り返されてきました。1999年に所得税・住民税の最高税率が15%引き下げられ、その後も証券優遇税制の導入や相続税の最高税率引き下げなど、大金持ち優遇が際立っています。
他方で庶民には、定率減税の廃止や配偶者特別控除の廃止、高齢者増税など、暮らしを痛めつける過酷な増税が押し付けられてきました。
政権交代後に鳩山内閣は、これまでの税制調査会を廃止して、財務相を会長とする新たな税制調査会をつくり、「税制を根本から見直す」としてきました。しかし、大企業・大資産家減税の枠組みを見直す本格的な議論はありませんでした。
子ども手当の財源をめぐって税制調査会では、子ども手当の対象外の庶民の家計を犠牲にしてひねり出す提案が出され、国民の批判を浴びました。結局、手当の対象外の家計への負担増は回避されましたが、こんな混乱が起きるのも、政権に大企業・大資産家減税にメスを入れる姿勢がないことに大きな原因があります。
応能負担原則に立って
税制の所得再分配機能を取り戻し、暮らしの財源を生み出すためにも「庶民に増税、大企業・大資産家に減税」の逆立ち税制を根本から転換する必要があります。
明らかにゆきすぎた大企業・大資産家減税を改め、「能力のある人が負担する」という応能負担の原則に立った民主的な税制の再構築を図ることが求められます。