閣僚の3人が靖国参拝

靖国神社は、もともと戦没者の純粋な追悼の施設ではなく、戦争で「武勲」をたてた戦死者の「顕彰」と過去の侵略戦争を正当化することを使命とした組織です。
 その神社に、終戦の日に閣僚が3人も参拝したことは、平和を求める国民や世界の人々と、福田政権との矛盾を深めるものです。

 福田首相は、同日の全国戦没者追悼式で、先の大戦で日本が「アジアの諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた」ことに「深い反省」と「哀悼の意」を表し、「過去と謙虚に向き合い、悲惨な戦争の教訓を風化させることなく、過ぎし日の史実を未来に正しく引き継いでいく」などと語りました。
 
 閣僚や政府関係者の参拝は、この首相の言明に反するものです。ところが、首相はこれを黙認し、官邸からは「各大臣のご見識に委ねられるべき性格のもの」(町村官房長官)などという声が聞こえてくるだけです。

 これでは首相がいくら「史実を未来に正しく引き継ぐ」といっても、アジアの人々の信頼も、国民の支持も得られないでしょう。